午睡(お昼寝)はなぜ必要性なの?

  2021/08/05    コラム

札幌市手稲区にあるみなここ保育園です。当園でも毎日午睡を取り入れています。0、1、2歳児は2時間半くらいで、年齢が上がるごとに時間は短くしていきます。時々、「家で寝なくなってしまうので午睡させないで」とおっしゃる保護者様もいらっしゃるのですが、お子さま達は園で朝早くからお迎えまでの長時間を頑張っています。午睡しないと、夕方には集中力が欠けてきたり、イライラしたり、いつもより寂しい気持ちになってしまうことがあるのです。体を休める時間を取らないと、心身ともにコントロールが難しくなるので、ある程度の午睡は保育園では必要だと考えます。就学を控えた5歳児については、体力もついてきますし、小学校での生活リズムに合わせるために午睡をやめることが主流となっています。お子様たちは午睡や休憩をとることで、お迎えの時間まで集中して遊ぶことができます。

今年の夏は札幌市手稲区でも連日暑い日が続いています。しかし、札幌では珍しくみなここ保育園はエアコン完備であるため午睡時にも園児は気持ちよく寝ることが出来ておりかわいい寝顔をみることができています!

このように午睡にはメリットもあるのですが、一方デメリットも存在します。子どもと保護者そして保育士それぞれが過ごしやすい環境作りをしていきましょう。

 

【メリット】

①疲れを取り、ぐずらないようにできる

未就学児にとって丸1日保育園で過ごすというのは、身体にも心にも疲れがたまってしまうものです。昼食のあとに午睡の時間を設け、午前中の疲れを取りのぞくことで、子どもたちは気分をリフレッシュして、午後からの活動に参加できるようになります。疲れているとぐずりの原因にもなるため、子どもたちの機嫌が悪くなる前に午睡を取り入れることは非常に重要です。

 

②注意力の低下を防ぎ、事故を防止する

午前中の疲れや、昼食の影響により子どもたちは、お昼過ぎに眠気が強くなる傾向にあります。眠気が強くなると子どもたちは集中力が落ち、動きが緩慢になります。そのため思いがけない転倒や衝突など事故に発展する可能性も。午睡を取ることで、子どもたちの注意力の低下を防ぎ、ヒヤリハットの対策にも繋がるのです。

 

③夜の睡眠不足を午睡で補完する

厚生労働省の「未就学児の睡眠指針」によれば、生後6か月の赤ちゃんの平均睡眠時間は13時間から14時間、1歳~3歳までの子どもたちで11時間から12時間、3歳から5歳の子どもたちでも10時間程度とされています。しかし家庭の生活様式の変化により、子どもたちの夜の睡眠時間がどんどん遅くなってきています。

また日本小児保健協会がおこなった「睡眠・生活リズム」の調査によれば、22時以降の睡眠にあたる「夜更かし」をしている子どもの割合は40%を超えています。家庭での睡眠不足は、次の日の子どもの活動に影響を与えるだけでなく、体の成長や知能、運動能力の発達が遅れる可能性もあります。そのため午睡は、子供たちの成長を支援するためにも重要と言えます。

 

【デメリット】

①お昼寝で生活リズムが崩れる

年齢によって推奨される基準はあるものの、本当に必要な睡眠時間にはやはり個人差があります。厚生労働省が定める「保育所保育指針解説」では「睡眠の発達には個人差があるため、3歳以上児においては、保育時間によって午睡を必要とする子どもと必要としない子どもが混在する場合もある。そのためどちらの子どもにとっても、午睡の時間に安心して眠ったり、活動したりできるように配慮する必要がある」と記されています。特に3歳以降になると睡眠の回数が一定化してくるため、昼寝をしない子が増えます。

できるだけ個別の事情を考慮しようと思っても、保育園では午睡が全員一緒になりがちです。子どもによっては午睡が不要な場合もあるため、無理に睡眠をとると自宅に帰ってから寝付けず夜更かしに繋がってしまいます。

 

②卒園後、小学生になっても午睡の習慣が抜けない

保育園では当たり前におこなわれる午睡も、小学校に入学するとできなくなります。赤ちゃんのころから同じ時間帯にお昼寝を続けていると、小学校でも給食を食べた後きまって眠くなり、お昼休みや午後の授業に影響を及ぼしてしまいます。居眠りや集中力の低下など、周囲から「怠けている」と捉えられてしまう事もあるため、5歳になっても毎日午睡をしているという子どもには、少しずつ午睡の時間を減らしたり、夜早く寝るように促すなど対応が必要です。

 

③無理に寝かせることで精神的ストレスを感じる

子どもたちの中には、眠たくないのに午睡を強制され、かえって精神的ストレスを感じる子どもがいます。また午睡の時間なのに、子どもたちがなかなか寝ないと、寝かしつけをおこなっている保育士も「はやく寝かせないといけない」と焦ってしまい、イライラが溜まってしまうのです。午睡が必要な子どもと不要な子どもが分かれるこの時期は、保育士の対応が難しくもあるポイントです。

 

■子どもをスムーズに寝かしつけるには

夜、子どもがなかなか寝てくれないと保護者も困りますよね。園では「寝かせる」のではなく「自ら寝る」ことができように、ルーティーンを決めています。ご家庭でも、パジャマに着替える、絵本を読んでもらう、寝るなどのルーティーンを決めておけば、子どもは自然と「この流れだと絵本が終わったら寝るんだな」と覚えます。しかし、大人が隣の部屋でテレビを見ていたりすると、子どもは寝ないことも。ここは家族で話し合い協力して、子どもが寝る環境を作ってあげてください。また、大人が「子どもが寝たら家の片付けをして、明日の準備をして…」と考えていると、子どもはそれを敏感に感じ取って寝てくれないものです。そんな時は、思い切って大人も子どもと一緒に寝てしまってはどうでしょうか。その分、朝は早起きする方が大人のイライラが減るような気がします。

 

■一人寝?添い寝?

これは国や習慣によって違うので、どちらがいいとは言えないのですが、別室で寝るような場合でも、子どもが入眠するまでは大人が側にいた方がいいと思います。保育園で過ごす子どもは保護者と一緒にいる時間がとりにくいので、子どもの気持ちを考えると、側に保護者がいると安心感が違うと思います。園では眠れない子どもの背中をトントンしてあげたり、体を撫でてあげたりすると入眠することがあります。おでこを優しく撫でているうちに眠ってしまう子もいます。やはりスキンシップは子どもの気持ちを落ち着かせるようです。

目覚める時は園では起床のとき、「起きなさい」などと命令はしません。カーテンを開けて部屋の中を明るくして、子どもたちに光を浴びてもらいます。すると、自然に目を覚まし、起きた子どもはルーティーンに従い、次の活動の準備を始めます。すると寝ていた子どもも生活音を聞いて目覚めていきます。中には寝起きの悪い子もいますが少し待ってあげれば、コットの上でぼーっとしているうちに、自分から動き出します。

 

家庭でも朝目覚める時はカーテンを開けて部屋を明るくすることから始めてください。大人が支度を始める音で子どもも目覚めるでしょう。もしなかなか起きない時は「一緒に着替えようか」と声をかけ、子どもを膝に乗せて着替えを手伝ってあげてください。朝の忙しい時間にそんな余裕はない、との声が聞こえてきそうですが、急かして支度する方が、子どもは登園時に機嫌が悪くなったり、後追いしたりします。泣かれて別れるのは保護者も辛いでしょうから、ちょっと頑張って少し早起きした方が、子どもも保護者も気持ち良く一日を過ごすことができると思います。

 

■土日の家庭での過ごし方

園では午睡をしますが、家庭では子どももリラックスして過ごしているので無理に午睡させる必要はないと思います。札幌市手稲区の気持ちの良い環境で十分にリラックスして過ごすことが出来るのではないでしょうか。ただ、土日に目一杯遊んだ子どもが月曜日に疲れていることもあります。園で昼間ゴロゴロしていたり、時には目の下にクマができていたり。平日、一緒に過ごせない分、休日に遊園地やレジャー施設に子ども連れて行ってあげたくなる気持ちも分かりますが、近所の公園でボール遊びをするだけでも保護者と一緒なら子どもは楽しいのです。遊園地などへ行くのはほどほどにして、睡眠をとって体を休め、「早寝、早起き、しっかり朝ご飯」は子どもの成長にも健康作りにも大切です。十分な睡眠は、冬場のインフルエンザ対策にも有効ですから、家族で子どもの睡眠を考えてあげてください。札幌市手稲区の恵まれた自然や公園をぜひ子育てに生かして頂ければと思います。

今日も札幌市手稲区のみなここ保育園の園児たちは、手稲区の恵まれた自然の風を感じながら健やかな午睡の時間を過ごしていますよ!