保育業界とは?と保育業界の課題 ~認可保育園と企業主導型保育園は何が違うの?~

  2021/03/03    コラム

保育業界と一括りで話される機会が多いこの頃。今日はこの保育業界について解説してみたいと思います。保育に関する施設には大きく「保育園」「幼稚園」「認定子ども園」の三つに分けることができます。

 

【保育園】

保育園には認可保育園と認可外保育園があります。認可保育園とは、都道府県から許可を得ている保育園のことです。認可保育園では、主に運営費が公費でまかなわれ、申込や支払いは市区町村で行われています。

認可保育園は比較的保育料が安いため人気が高いのですが、これまでは認可が下りるためには、運営主体が社会福祉法人や学校法人である場合に限られてきました。しかし、近年では認可外保育園であっても運営実績があれば許可申請をすることが可能となっています。認可保育園は園庭の設置や人員配置など国の定めた基準を満たす必要があります。少子化が進行している日本ですが、共働き世帯が増加している背景があり、大都市では数が不足し待機児童問題の要因になっている面もあります。

それに対して、認可外保育園は、認可以外のすべての保育園が該当します。これまでは運営費は、基本的に保護者の保育料でまかなわれてきたため、認可保育園に比べて人員配置に問題があると指摘されてきました。しかし、平成28年度に内閣府が企業主導型保育事業を開始し、認可外保育園でありながら認可とほぼ同程度の運営費を受けることができる制度を設立しました。運営主体も一般の会社が保育園運営が可能となり、従業員の働き方に応じた柔軟な保育サービスを提供するために設置する保育施設や、地域の企業が共同で設置・利用する保育施設に対し、施設の整備費及び運営費の助成を行えるようになりました。そのため、企業主導型保育園の特徴として、既存の枠組みにとらわれずに新しい保育園を作ることができるという点があります。特に、グローバル化が進展していく社会に対応するためには、戦後の教育からの脱却が求められています。実際に従来の教育に加えインターナショナル教育(英語教育)やモンテッソーリ教育などに力を入れている保育園もあります。

みなここ保育園もこの企業主導型保育事業を利用して、札幌市手稲区に誕生した保育園の1つです。みなここ保育園の最大の特徴は、定員12名という小規模保育園にも関わらず専門スタッフを豊富に配置していることです。具体的には、認可保育園の基準をさらに上回る手厚い保育士の人員配置、小児科での勤務経験が豊富な看護師の配置、調理師資格者による自園調理を採用していることなどが挙げられます。加えて、保育料も地域最安値を目指しています。ハイレベルな保育スタッフと安い保育料、この相反する条件を可能にしているのは、札幌市手稲区の子供たちを中心に、これからの日本を担っていけるような初期教育を提供したいという強い想いからです。実際に見学にいらっしゃった保護者の方々から「この保育園は他と違う、どうしてもうちの子を入れたい」「どうしてこんなに充実した保育内容をこんなに安く提供できるんですか?」といったお言葉を頂くことがあります。私たちにとって努力が報われた瞬間でもありますが、全てのお子様をお預かりできないことを心苦しくも思う瞬間でもあります。手稲区で仕事をされている保護者様、手稲区で生まれ育ったお子様たちをなるべく優先してお預かりし、手稲区の発展に微力ながら貢献したいという気持ちでこれからも保育を提供してまいります。

 

【幼稚園】

幼稚園は、幼児教育を基盤に作られている施設です。遊びを中心とした保育を進めながら、非認知的能力を育てます。幼稚園にも公立幼稚園と私立の幼稚園があります。公立幼稚園では、都道府県が認可などを行い、自治体が運営している園です。それに対し、私立幼稚園は都道府県が認可など行い社会福祉法人や学校法人が運営しています。

 

【認定子ども園】

認定子ども園とは、幼稚園と保育園の機能を両方もっている園となっています。主に就学前の子どもに幼児教育や保育を提供しています。地域における子育て支援も行っていることを条件に、都道府県知事から認定をうけることができます。

 

◆保育業界の課題

保育業界には課題があります。それをいくつか紹介していきたいと思います。

①保育士の多忙化

保育士は、保育中も園児の様子や連絡事項を保護者に伝えるため、ノートへの記載や手紙などの細かい作業も重要な業務もあります。保育施設では子どもたちの育成のために運動会やお遊戯会、お誕生日会や季節に合わせたイベントなども、やらなければなりません。このような子どもを保育する以外にも膨大な量の仕事がたくさんあり、残業がとても多い状態です。保育士の働き方にも改善が必要とされてます。

②保育士不足

保育園の不足はニュースや新聞などで広く取り上げられていると思います。しかしながら、保育園だけではなく、保育士も足りないというのが現状です。保育士不足をどう解決していくかが、これからのカギになるのではないでしょうか。

③外国籍児への対応

日本の中では、日本の子どもだけという状態はもうなくなりつつあります。韓国や中国などいろいろな国籍の子どもが保育所の中にいることは、当り前の状態になりつつあります。だから、保育者には他国の文化を尊重したり、外国籍児の子どもを持つ親がコミュニケーションが円滑に取れるプラットフォームのような役割を期待されています。